Sarp−1融合タンパク質およびその使用
专利摘要:
本発明はネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質に関し、該融合タンパク質は免疫グロブリンFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は成熟SARP−1ポリペプチドの特定のN−末端アミノ酸を欠如する。本発明はさらに、癌、線維性疾患、または循環器疾患の治療のための前記融合タンパク質の使用に関する。 公开号:JP2011505821A 申请号:JP2010537444 申请日:2008-12-11 公开日:2011-03-03 发明作者:カルミランゾウ,マリア;サボリオ,ガブリエラ 申请人:メルク セローノ ソシエテ アノニム; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] 本発明は分泌型アポトーシス関連タンパク質(SARP)およびその使用の分野に属する。さらに詳細には、本発明はSARP−1の断片および免疫グロブリンのFc領域を含む融合タンパク質、ならびに線維性疾患、循環器疾患、もしくは癌の治療および/または予防のための前記融合タンパク質の使用に関する。] 背景技術 [0002] 分泌型アポトーシス関連タンパク質(SARP)は、Wntシグナル伝達経路の天然制御因子である、280ないし346アミノ酸で推定分子量が約32ないし40kDaの分泌型タンパク質ファミリーを構成する。SARPの構造的特徴は、タンパク質のN−末端側の半分を占めるシステインリッチドメイン(CRD)、およびタンパク質のC−末端側の半分を占めるネトリンドメインである(Jones and Jomary, 2002)。] [0003] SARPのCRDはFrizzled受容体タンパク質ファミリーのCRDに30〜50%類似である。従ってSARPは、分泌型Frizzled関連タンパク質(sFRP)とも称される。SARPおよびFrizzledタンパク質のCRDは、Frizzled(FZ)ドメインとも称される。これは約120アミノ酸を含む。マウスFrizzledタンパク質CRDおよびマウスSARP CRDのX線構造決定により、主にアルファヘリックスで構成される新たな折り畳みが明らかにされた(Dann et al, 2001)。] [0004] SARPのネトリン(NTR)ドメインは、軸索誘導タンパク質であるネトリンと配列の類似性を共有する。このNTRモジュールは6個のシステイン残基および疎水性残基の数個の保存された部分により定義される(Banyai and Patthy, 1999)。SARPにおけるNTRドメインの機能は知られていない。] [0005] ヒトにおいては最初に3個のSARPタンパク質:SARP−1(SARP1、sFRP2、SDF−5、SFRP2)、SARP−2(SARP2、FRP、sFRP1、FrzA)およびSARP−3(SARP3、sFRP5、SFRP5)が同定された(国際公開第98/13493号、国際公開第98/35043号、Melkonyan et al., 1997)。今日までに、sFRP3(FrzB、Fritz、FRZB)、sFRP4(FrzB−2、SFRP4)、Sizzled、Sizzled2およびCrescentをさらに含む、このタンパク質ファミリーのメンバーが8個知られている。sFRP3およびsFRP4のように、sFRP1、sFRP2およびsFRP5は、配列同一性のレベルに基づいてsFRPファミリー内でサブグループを形成する。Sizzled、Sizzled2およびCrescentは、哺乳類ではまだ同定されていない第3のサブグループを形成する(Kawano and Kypta, 2003)。] [0006] ヒトSARP−1(sFRP−2およびSDF−5としても知られる)は、24アミノ酸シグナルペプチドを含む295アミノ酸前駆体として合成される。ヒトSARP−1はシグナルペプチドの切断後に271アミノ酸成熟タンパク質として分泌される。2007年11月13日のアノテーションを有するSwissProtタンパク質データベースの受入番号Q96HF1によると、SARP−1のシステインリッチ(Frizzled)ドメインは122アミノ酸(配列番号1のアミノ酸35ないし155に相当)を含み、ネトリンドメインは124アミノ酸(配列番号1のアミノ酸172ないし295に相当)を含む。一般に、SwissProtタンパク質データベースの受入番号Q96HF1によるようなタンパク質ドメインの境界は予測に基づく。実際に、システインリッチ(Frizzled)ドメインのような特定のタンパク質ドメインを作り出すまさに最小のアミノ酸配列の定義は、さらなる実験データおよび/またはタンパク質ドメイン予測ツールに基づき長期にわたって改良されるであろう。] [0007] マウスおよびラットSARP−1もまた単離され、ヒトSARP−1に対しアミノ酸レベルにおいてそれぞれ98%および97%の全体的な同一性を示す。マウスおよびラットSARP−1はアミノ酸レベルにおいて99%同一である。SARP−1は少なくともWnt1、4、7a、および9に結合すると考えられる。ヒトSARP−1の変異体が知られており、限定はされないがこれは配列番号1、4、6、8および10に示されるアミノ酸配列を含む。] [0008] SARPのFrizzled(FZ)ドメインはWntファミリータンパク質への結合を仲介する(Rattner et al., 1997)。Wntを結合することにより、SARPタンパク質はWntの細胞表面受容体からWntを隔離でき、これによって利用できるWntタンパク質の有効な濃度を減少させる。従って、SARPはWntのアンタゴニストである。] [0009] Wntは、今日までに調べられた全ての多細胞生物(後生動物)に見出される、39〜46kDaのシステインリッチ、分泌型脂質修飾糖タンパク質である。Wntは、受容体仲介シグナル伝達経路を局所的に活性化する短距離リガンドとして作用する。Wntは胚および成体に空間的に制限された動的パターンで発現する。] [0010] これまでに19のWntが同定されている。これらは細胞株またはin vivoアッセイにおける活性に基づいて標準および非標準Wntの2クラスに分類される。標準Wnt(例えばWnt1、Wnt3AおよびWnt8)はβ−カテニンを安定化させ、これによってT細胞因子(Tcf)/リンパ球エンハンサー結合因子(LEF)標的遺伝子の転写を活性化する。非標準Wnt(例えばWnt4、Wnt5AおよびWnt11)は、原腸陥入の間の細胞移動を導く平面細胞極性(PCP)様経路、およびWnt/Ca2+経路のようなその他のシグナル伝達経路を活性化する。] [0011] 標準β−カテニン経路の活性化は、細胞増殖および生存、同様に細胞運命に影響を及ぼす遺伝子発現における変化を導く。発生の間のその役割に加え、Wnt経路は成体組織の増殖、分化およびアポトーシスに重要な役割を果たす。] [0012] Wntシグナル伝達は、Frizzledファミリーの細胞表面受容体のシステインリッチドメインおよび低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質ファミリー(LRP5またはLRP6)の共受容体へのWntタンパク質の結合により開始される。ヒトおよびマウスゲノムは、個々のWntタンパク質に対し部分的な無差別の特異性を有すると推定される少なくとも10の異なるFrizzledファミリーメンバーをコードする。] [0013] 腫瘍形成の間にWnt経路の異常な活性化が起こることが見出された。一方における、おそらくSARP遺伝子をコードするDNAのメチル化の増大(Nojima et al., 2007)を通した癌腫におけるSARP発現の頻繁な発現低下(Lee et al., 2004a)、他方における、幾つかの変性疾患におけるSARP発現の上昇(Jones et al., 2000)は、Wnt活性の制御による健常組織の恒常性のためのそれらの重要性を支持する。DNAメチル化は遺伝子活性を制御するための重要な手段である。] [0014] 過剰メチル化は一般に遺伝子不活性化を導く。sFRPの過剰発現は結腸直腸癌および肝細胞癌の細胞の増殖を抑制した(Shih et al., 2007;Suzuki et al., 2004)。] [0015] SARP−1(sFRP2)はイヌの乳腺腫瘍に高度に発現するが正常乳腺には発現しない(Lee et al., 2004b)。SARP−1遺伝子(sFRP2)のDNA過剰メチル化は、コントロール便プローブ(stool probes)の4%に比較して、結腸直腸癌患者の便プローブ(stool probes)の94%まで由来の細胞に観察されている。従ってSARP−1は結腸直腸癌に対して高度に予測的である(Huang et al., 2007a)(Huang et al., 2007b;Muller et al., 2004)。SARP−1遺伝子(sFRP2)のDNA過剰メチル化はまた、胃癌にも観察されている(Cheng et al., 2007)。これらの知見はさらに、SARP、特にSARP−1が結腸直腸、胃、およびおそらくその他の癌にかかっている組織において過剰メチル化により不活性化される腫瘍抑制因子であるという概念を支持する。] [0016] SARP以外のWnt抑制物質が癌細胞にアポトーシスを誘導することが示されてきた。Wnt1に対するモノクローナル抗体は、非小細胞肺癌、乳癌、中皮腫および肉腫細胞を含む様々なヒト癌細胞株において(Batra et al., 2006;He et al, 2004)、かつ結腸直腸癌細胞株(He et aL, 2005)および肉腫の肺転移の新鮮な初代培養においても(Mikami et al., 2005)アポトーシスを誘導した。可溶性の天然発生Wnt抑制因子1(WIF−1)は、結腸直腸癌細胞株(He et al, 2005)にアポトーシスを誘導し、かつin vivoでのWIF−1の発現は、Wntシグナル伝達の阻害による腫瘍生育の抑制をもたらした(Lin et al., 2007)。] [0017] 国際公開第2006/055635号は、WntアンタゴニストまたはWnt受容体のアンタゴニストのような、Wntシグナル伝達を変化させる化合物による腫瘍細胞生育の抑制方法に関する。国際公開第2006/055635号に開示される唯一のアンタゴニストは、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質5または6に特異的なsiRNAである。] [0018] 国際公開第2005/033048号は、Wntシグナル伝達が特定の芳香族小分子化合物により阻害できることを開示する。国際公開第2005/033048号に開示される該化合物は、Wntに結合しないか、またはFrizzled受容体へのWntの結合を阻害しない。] [0019] 欧州特許第1733739号は、Discs large(Dlg)遺伝子の調節を通してSFRPの発現および/または活性を増大させる薬剤、および癌の予防または治療のための該薬剤の使用に関する。Dlg遺伝子は元々ショウジョウバエの腫瘍抑制因子の遺伝子として同定された。] [0020] SARPはまた、その他の組織の恒常性における役割も有する。SARP−1は、低酸素性の心筋細胞における細胞β−カテニンの発現増大によって、心筋の生存および修復を仲介する(Mirotsou et al., 2007)。β−カテニンの発現は、虚血傷害から心筋細胞を保護する。] [0021] 標準Wnt(β−カテニン経路)は線維症において異常に活性化されており(Chilosi et a l., 2003)、SARP−1はマウスをブレオマイシン誘導性の肺線維症から保護することから、強皮症およびその他の線維性疾患の治療に有用であることが示されてきた(国際公開第02/46225号)。国際公開第02/46225号はまた、Frizzledドメインを含むSARP−1の断片が強皮症およびその他の線維性疾患の治療に有用であることも開示する。腎線維症の疾病モデルでは、疾病の進行はSARPタンパク質ファミリーのメンバーであるsFRP4の投与により抑制され得る(Surendran et al., 2005)。] [0022] 従って、治療上の応用に有用なWntシグナル伝達のアンタゴニストが必要とされている。SARPはin vivoにおける有効なWntアンタゴニストである。これらは標準および非標準Wnt経路を阻害する。これらが天然発生タンパク質であることから、SARPおよびその誘導体がヒトまたは哺乳類において毒性となる危険性は低い。] [0023] 従って、改良された特性を有する、SARP−1、または変異体、または誘導体、またはSARPもしくはSARP−1の生物学的に活性のある断片のようなSARPが必要とされている。] [0024] 改良された特性はSARPもしくはSARP−1の変異体または誘導体の生体活性のみではなく、例えば薬物動態のin vivoでの半減期、送達経路または細胞培養システムにおけるタンパク質発現の効率のような製造に関する特性、のような治療的タンパク質に関連するその他の態様にも関連してよい。免疫原性は、SARP−1、変異体、誘導体、またはその生物学的に活性のある断片のような治療的タンパク質の、もう一つの決定的な態様である。治療的タンパク質は、特にそれらが非内在性タンパク質、すなわち治療されるヒトまたは動物の身体内のアミノ酸配列に同一な対応物を持たないタンパク質であるとき、しかしそれらがそのような対応物を持つときでさえも、しばしばヒトまたは動物の身体へ投与されたときに該治療的タンパク質に対する免疫反応を誘発し、この免疫反応は望まれない副作用および/または該治療的タンパク質の生物活性もしくは治療的な有効性の減少を導き得る。SARP−1変異体、誘導体、またはその生物学的に活性のある断片の改善された特性はそれ故に、SARP−1変異体、誘導体、またはその生物学的に活性のある断片の、内在性のSARP−1ポリペプチドに比較して本質的に変化しないかまたは減少した免疫原性に帰してよい。] [0025] Fc融合タンパク質は当該技術分野において公知である。Fc融合タンパク質は、無関係なタンパク質またはタンパク質断片と融合した免疫グロブリン重鎖のFc領域から成るキメラポリペプチドである。ヒトにおける応用のため、ヒト免疫グロブリン重鎖のFc領域が典型的に用いられる。Fc領域および無関係なタンパク質またはタンパク質断片を含む単一融合ポリペプチド鎖を細胞内に発現させる際、それは一般に、免疫グロブリン内の重鎖二量体の形成に類似して、ポリペプチドを含む第2のFc領域と共にジスルフィド結合の形成を通して二量体を形成する。しかしながら、無関係なタンパク質のポリペプチド鎖の1コピーのみを含むFc融合タンパク質の構築も可能である(Dumont et al., 2006)。] [0026] 天然免疫グロブリン分子は、2個の同一な重鎖、および2個の同一な軽鎖から成る。重鎖定常領域は、CH1、ヒンジ領域、CH2、およびCH3を含む。抗体のパパイン消化はFabおよびFcの2個の断片を生じる。Fc断片はCH2、CH3、およびヒンジ領域の一部から成る。ヒトIgG分子において、Fc断片はCys−226に対するヒンジ領域N−末端のパパイン切断により産生される。従ってヒトIgG重鎖Fc領域は、最初に位置226におけるアミノ酸残基からC−末端への伸展として定義された。上記の番号付けは、後に免疫グロブリンEUとして同定された(Edelman et al., 1969)ミエローマタンパク質の配列にこれを基づかせたKabatによる(Kabat, 1988)。以下ここで用いられ、さらに説明される「Fc領域」または「Fc断片」との語は、部分的なもののみではなく、完全なヒンジ領域または全くヒンジ領域のないものも含んでよい。] [0027] Fc領域は、クラスG(IgG)免疫グロブリンの血清半減期の維持に決定的であることが認識されてきた(Ward and Ghetie, 1995)。研究により、IgGの血清半減期はFcの新生児Fc受容体(FcRn)への結合により仲介されることが見出された。FcRnは、膜貫通部位、単鎖、および可溶性β鎖(β2ミクログロブリン)から成るヘテロ二量体である。FcRnのα1およびα2ドメインは、Fc領域のCH2およびCH3ドメインと相互作用する。ヒトIgGのFc断片上の、FcRnと相互作用する部位がマッピングされている(Kim et al., 1999;Vaughn et al., 1997)。] [0028] FcRn結合に対するアフィニティーと免疫グロブリンの血清半減期との間の相関関係は当該技術分野において公知である(Datta-Mannan et al., 2007b)。このような相関関係は、FcRnに対し、その野生型親分子よりもより高いアフィニティーをもつ操作された抗体へと著しく拡張されてきた。変異誘発研究に基づく多数の出版物および特許がこの相関関係を支持する(Ward and Ghetie, 1995;Ghetie et al., 1997;Dall'Acqua et al., 2002;Hinton et al., 2004;Hinton et al., 2006;Shieldset al., 2001;Datta-Mannan et al., 2007a;Kamei et al., 2005、米国特許第6,165,745号、米国特許第6,277,375号、米国特許出願第2002/009819号、国際公開第97/34621号、国際公開第98/05787号、国際公開第02/060919号、国際公開第04/035752号および国際公開第2005/037867号)。] [0029] Fc領域はまた、治療的タンパク質の経口または肺送達を達成するためにも使用できる。Fc融合タンパク質はこれらの経路を通して成功裏に送達されてきた(Bitonti and Dumont, 2006;Bitonti et al., 2004;Low at al., 2005;Dumont et al., 2005)。] [0030] 抗体の定常(Fc)領域へポリペプチドを融合または抱合するための(すなわちFc融合タンパク質を作製するための)方法は当該技術分野において公知であり、例えば国際公開第2005/037867号に記載されているがこれに限定されない。] 発明が解決しようとする課題 [0031] 本発明はネトリンドメインを持たないSARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質を提供し、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4をさらに欠如することを特徴とする。上記融合タンパク質は、以下SARP−1(Fz)デルタN−Fcと称される。] [0032] 本発明は、SARP−1ポリペプチドまたはSARP−1融合タンパク質、例えばネトリンドメインを持たないSARP−1ポリペプチドを含み、かつ免疫グロブリン重鎖のFc領域を含むSARP−1融合タンパク質が、HEKまたはCHO細胞のような当該技術分野において公知のタンパク質発現システムにおいてわずかに低レベルで発現するという知見に基づく。] [0033] さらに、前記SARP−1ポリペプチドまたはSARP−1融合タンパク質は、これらの発現システムにおいて宿主細胞ベクターによりコードされるN−末端と共に発現しないが、発現するポリペプチドまたは融合タンパク質が均一ではない、様々な程度のN−末端欠失と共に発現することが本発明者らにより見出された。この現象はラギング(ragging)と称される。しかしながら、とりわけ調節性の目的のためには、治療的応用に使用されるタンパク質の組成物は均一であり、かつバッチごとに一貫することが強く望まれる。従って、改善されたバッチごとの一貫性を持つ効率的な製造方法を受け入れられる、生物学的に活性のあるSARP−1変異体または誘導体が必要とされている。] 課題を解決するための手段 [0034] 本発明者らにより、(i)SARP−1ポリペプチド、または(ii)完全長成熟SARP−1および免疫グロブリン重鎖のFc領域を含む融合タンパク質(SARP−1−Fc)、または(iii)ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含み、かつ免疫グロブリン重鎖のFc領域を含む融合タンパク質(SARP−1(Fz)−Fc)の製造の間に、これら3例全てにおいて、細胞培養にて発現するポリペプチド産物が、溶解できない高分子量の複合体を高度に形成することもまた決定された。不溶性の複合体中の望まれるポリペプチドの損失により、治療目的に使用し得る有効なポリペプチドの全体的な収率は低かった。] [0035] 驚くべきことにここで本発明者らにより、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質の細胞培養における発現レベルが著しく高めであることが見出され、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドの規定された数、好ましくはN−末端アミノ酸1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如する宿主細胞ベクターによりコードされるN−末端を特徴とし、これは前記N−末端アミノ酸を欠如しない同じ融合タンパク質と比較される。HEK細胞に一過性に発現させたときのN−末端アミノ酸を欠如する前記ポリペプチドのポリペプチド発現レベルは、同じ細胞培養条件下での成熟SARP−1のN−末端アミノ酸を持つポリペプチドの発現レベルよりも2x高かった。] [0036] なお驚くべきことに、規定された数のN−末端アミノ酸を欠如する前記融合タンパク質はいずれのラギング(ragging)も示さなかった;すなわち宿主細胞ベクターによりコードされるN−末端と共に産生された。90%を超える、多くの場合100%の産生されるポリペプチドはいずれのN−末端欠失も示さなかった。対照的に、成熟SARP−1のN−末端アミノ酸を持つ対応する融合タンパク質が同じ細胞培養条件下で産生されたとき、産生された該ポリペプチドは様々な欠失を有するN−末端を示した。] [0037] さらに、少なくとも成熟SARP−1ポリペプチドのN末端アミノ酸番号1〜10;すなわち少なくとも成熟ヒトSARP−1のアミノ酸LFLFGQPDFSが、N−末端欠失を持たない融合タンパク質に比較したSARP−1融合タンパク質の生体活性を減少させることなく欠失され得ることが本発明者らにより見出された。] [0038] 本発明のSARP−1融合タンパク質に含まれるFc領域は、限定はされないが、例えば増大したin vivo半減期、より良い薬物動態、または経口もしくは肺経路のような当該技術分野において公知のその他の経路を通した融合タンパク質の投与の可能性を与えることができる。] [0039] さらに、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質であって、該融合タンパク質が免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質が、成熟SARP−1ポリペプチドの規定された数、好ましくはN−末端アミノ酸1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如する宿主細胞ベクターによりコードされるN−末端を特徴とする融合タンパク質は、前記N−末端アミノ酸を欠如しない同じ融合タンパク質と比較して増大した免疫原性を示さない。] [0040] 目下の発明はそれ故に、成熟SARP−1のN−末端アミノ酸、好ましくはN−末端アミノ酸1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如するSARP−1融合タンパク質を提供し、これは当該技術分野において公知のSARP−1タンパク質に比較される生体活性を維持する一方、より良いバッチごとの一貫性を有するより高い純度において、より高い収率により製造できる。] [0041] 従って、本発明の一実施形態はネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質であって、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする。] [0042] 本発明の別の実施形態は、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする。] [0043] 本発明の別の実施形態は、癌、線維性疾患、または循環器疾患の治療のための、第一、第二または第三の実施形態による融合タンパク質である。] [0044] 本発明のなお別の実施形態は、第一、第二または第三の実施形態による融合タンパク質を活性成分として、任意に薬理学的に許容される担体または賦形剤を共に含む医薬組成物である。] 図面の簡単な説明 [0045] ソフトウェアMultalinバージョン5.4.1(Corpet, 1988)により作られた、SwissProt受入番号Q96HF1、およびGenBank受入番号AF311912;AY359001、BC008666およびAF017986によるSARP−1変異体のアラインメントを示した図である。可変性のアミノ酸位置を下線で示し、かつ太字で標識する。シグナルペプチド、Frizzledドメインおよびネトリンドメインに相当するアミノ酸を四角で囲むことにより示す。ドメインの境界は、2007年11月13日のアノテーションを有するSwissProtタンパク質データベースの受入番号Q96HF1から採用される。] [0046] SARP−1(Fz)デルタN−Fcは、二つの部分、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含むN−末端部分、および免疫グロブリン重鎖の定常ドメイン(ヒンジ領域、CH2およびCH3ドメインから成る)を含むC−末端部分を含む融合タンパク質である。SARP−1(Fz)デルタN−Fcは、配列番号2の成熟SARP−1ポリペプチドのN(N=4、5、6、7、8、9または10)アミノ酸をN−末端において欠如する。] [0047] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、レポーター細胞アッセイにおいてWnt1およびWnt2活性化を阻害した。到達したEmaxは80%である。EC50は0.75μMである。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、N−末端において7アミノ酸を欠如する。] [0048] 10.0μg/mlの濃度において2、4、6の間投与したSARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、PDGFにより誘導された肝星細胞の生育を有意に減少させた。この実験を実施例5に記載する。] [0049] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、実施例6に記載するようにマウスメラノーマ細胞株B16F1の細胞増殖を阻害した。] [0050] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、実施例6に記載するようにヒト大腸癌細胞株SW480の細胞増殖を阻害した。] [0051] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、実施例6に記載するようにヒト大腸癌細胞株SW620の細胞増殖を阻害した。] [0052] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、実施例7に記載するように、腎線維症の一側性尿管閉塞(UUO)マウスモデルにおいてアルファ平滑筋アクチン(α−SMA)の蓄積を減少させた。アルファ平滑筋アクチンは正常線維芽細胞の筋線維芽細胞への病理学的形質転換のマーカーであり、その他の線維性状態の中でも腎線維症におけるコラーゲン過剰産生の主要な役者とみなされる。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcによるこのマーカーの減少は、この病理学的形質転換を回避することによりコラーゲン産生を減少させる好ましい効果を示す。] [0053] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、実施例8に記載するように、間質性肺線維症(IPF)患者由来の線維芽細胞のBrdU取り込みを、基本およびPDGF条件において減少させた。] [0054] 発明の詳細な説明 本発明は従って、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質を提供し、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4をさらに欠如することを特徴とする。上記融合タンパク質は以下SARP−1(Fz)デルタN−Fcと称される。] [0055] 本発明の第一の実施形態は、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質であり、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする。] [0056] 本発明の第二の実施形態は、ネトリンドメインを持たない配列番号1、4、6、8または10の成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質であり、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする。] [0057] 本発明の第三の実施形態は、本発明の第二の実施形態による融合タンパク質であり、ここでネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドはSARP−1変異体に由来し、この変異体は配列番号1、2、4、6、8または10の成熟SARP−1ポリペプチドに少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%または70%の同一性を有し、かつこの変異体は少なくとも1のSARP−1の生体活性を有する。] [0058] 本発明の第四の実施形態は、配列番号6、8または10のアミノ酸番号35ないし153を含むか、または配列番号4のアミノ酸番号35ないし151を含む融合タンパク質であり、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含む。] [0059] 上記実施形態によるFc領域はいずれの免疫グロブリンクラス(すなわちIgG、IgM、IgA、IgEまたはIgD)の重鎖由来であってもよいが、優先的にはIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のようなIgG由来である。IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のFc領域の代表的なアミノ酸配列を、それぞれ配列番号15、16、17および18に示す。IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4には当該技術分野において公知の対立遺伝子変異体が存在することに留意しなければならない。これらのいずれのFc領域は、上記の実施形態による融合タンパク質に含まれてよい。最も好ましいFc領域はIgG1Fc領域である。代表的なIgG1Fc領域を、配列番号14のアミノ酸123ないし354に示す。さらなる適切なFc領域は、配列番号15、156、17および18のFc領域の一つか、または配列番号14のアミノ酸123ないし354と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%または80%同一のIgG Fc領域である。] [0060] さらなる実施形態によれば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4重鎖のFc領域は、Fc融合タンパク質により誘発されるいずれの潜在的な補体活性化もしくは抗体依存性細胞傷害(ADCC)を減少または増大させるため、またはFc融合タンパク質の新生児Fc受容体(FcRn)への結合アフィニティーを調節(すなわち増大または減少)するために、少なくとも1のアミノ酸変異を含む。Fc融合タンパク質のFcRnへの増大したアフィニティーは、Fc融合タンパク質の増大したin vivo半減期、およびFc融合タンパク質の経口または肺経路を通した取り込みもまた導き得る。] [0061] Fc融合タンパク質のin vivo半減期を調節(すなわち増大または減少)するため、または経口もしくは肺送達に受け入れられるFc融合タンパク質を作製するための、Fc融合タンパク質により誘発される補体活性化またはADCCの減少に必要とされるFc領域の変異は当該技術分野において公知である。] [0062] 本発明のさらなる実施形態は、配列番号14のポリペプチドと少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、または70%の同一性を有し、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、かつSARP−1の生体活性の少なくとも1をさらに有するSARP−1(Fz)デルタN−Fcの変異体である。] [0063] 本発明のさらなる実施形態は、SARP−1(Fz)デルタN−Fcの変異タンパク質であり、ここで配列番号14のポリペプチドの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、50、100または150以下のアミノ酸が、保存アミノ酸または非保存アミノ酸により置換され、この変異タンパク質は成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、かつこの変異タンパク質はSARP−1の生体活性の少なくとも1をさらに有する。] [0064] 上記の実施形態による融合タンパク質はグリコシル化されてよいかまたはされなくてよい。上記の実施形態による融合タンパク質のグリコシル化は、当該技術分野において公知のADCCまたはCDCのような、潜在的なFcを介するエフェクター機能に影響し得る。] [0065] さらなる実施形態によれば、上記のいずれの実施形態による融合タンパク質は少なくとも95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%または55%のハイブリッド非フコシル化二分化グリカン(bisected glycans)を含む。] [0066] さらなる実施形態によれば、本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質は高マンノース型オリゴ糖のみを含む。] [0067] さらなる実施形態によれば、上記のいずれの実施形態による融合タンパク質、変異体または変異タンパク質は、ヒトSARP−1ポリペプチドに比較して、ヒトにおける本質的に未変化または減少した免疫原性を有する。] [0068] 本発明の別の実施形態は、上記のいずれの実施形態による融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドである。] [0069] 本発明の別の実施形態は、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドであり、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする。] [0070] 本発明の別の実施形態は、配列番号6、8もしくは10のアミノ酸番号35ないし153を含むかまたは配列番号4のアミノ酸番号35ないし151を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドであり、該融合タンパク質は、配列番号15、16、17および18それぞれのIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域、または配列番号15、16、17もしくは18のアミノ酸配列と少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%もしくは80%同一のIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のいずれのFc領域のような、免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含む。] [0071] 本発明の別の実施形態は、本発明の上記のいずれの実施形態によるポリヌクレオチドを含むベクターである。] [0072] 本発明の別の実施形態は、本発明の上記のいずれの実施形態によるポリヌクレオチド、および配列番号24によるmlgSP−tPA−proシグナルペプチドのコード配列を含むベクターである。] [0073] 本発明の別の実施形態は、ポリヌクレオチド、または本発明の上記のいずれの実施形態によるベクターを含む宿主細胞である。] [0074] 本発明の別の実施形態は、本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質の調製方法であり、これは本発明の上記の実施形態による宿主細胞内に前記融合タンパク質を発現させること、および前記融合タンパク質を回収することを含む。] [0075] 本発明の別の実施形態は、本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質の調製方法であり、これは本発明の上記の実施形態による宿主細胞内に前記融合タンパク質を発現させること、および前記融合タンパク質を宿主細胞または宿主細胞培養上清から分離することを含む。] [0076] 本発明の別の実施形態は、薬物としての使用のための、本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質である。] [0077] 本発明の別の実施形態は、癌、線維性疾患、または循環器疾患の治療のための、本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質である。] [0078] 本発明の別の実施形態は、癌の治療のための本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質であり、ここで該癌は胃腸癌、結腸直腸癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、メラノーマ、白血病および非ホジキンリンパ腫、乳癌、前立腺癌、または肺癌である。] [0079] 本発明の別の実施形態は、癌の治療のための本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質であり、ここで該癌は急性リンパ芽球性リンパ腫、急性骨髄性白血病、成人急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫のような骨癌、神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、乳癌、気管支腺腫、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、腫瘍のユーイングファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃(gastric)(stomach)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、妊娠性トロホブラスト腫瘍、ヘアリー細胞白血病、頭頚部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはバーキットリンパ腫のようなリンパ腫、菌状息肉腫およびセザリー症候群のような皮膚T細胞リンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫のようなメラノーマ、膵頭細胞腫(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎(腎細胞)癌、咽頭癌、口唇および口腔癌、非小細胞肺癌または小細胞肺癌のような肺癌、ワルデンストロームマクログロブリン血症、メルケル細胞癌、中皮腫、口腔癌、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、上咽頭癌、神経芽細胞腫、中咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、甲状腺癌、尿道癌、またはウィルムス腫瘍である。] [0080] 本発明の別の実施形態は、循環器疾患の治療のための本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質であり、ここで該循環器疾患は心筋梗塞、心筋症、または肥大型心筋症である。] [0081] 本発明の別の実施形態は、線維性疾患の治療のための本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質であり、ここで該線維性疾患は強皮症、望まれないかまたは過剰の瘢痕、肺線維症(限定はされないが、例えば特発性肺線維症)、肝線維症、腸の線維症、腎線維症、心線維症、または皮膚線維症である。] [0082] 本発明の別の実施形態は、治療上有効な量の本発明による融合タンパク質を治療の必要に応じて個人に投与することを含む、癌、線維性疾患、または循環器疾患の治療のための方法である。] [0083] 本発明の別の実施形態は、治療上有効な量の本発明による融合タンパク質を治療の必要に応じて個人に投与することを含む、癌の治療のための方法であって、ここで該癌は胃腸癌、結腸直腸癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、メラノーマ、白血病および非ホジキンリンパ腫、乳癌、前立腺癌、または肺癌である。] [0084] 本発明の別の実施形態は、治療上有効な量の本発明による融合タンパク質を治療の必要に応じて個人に投与することを含む、循環器疾患の治療のための方法であって、ここで該循環器疾患は心筋梗塞、心筋症、または肥大型心筋症である。] [0085] 本発明の別の実施形態は、治療上有効な量の本発明による融合タンパク質を治療の必要に応じて個人に投与することを含む、線維性疾患の治療のための方法であって、ここで該線維性疾患は強皮症、望まれないかまたは過剰の瘢痕、肺線維症(限定はされないが、例えば特発性肺線維症)、肝線維症、腸の線維症、腎線維症、心線維症、または皮膚線維症である。] [0086] 本発明の別の実施形態は、上記のいずれの実施形態による融合タンパク質を活性成分として、任意に薬理学的に許容される担体または賦形剤を共に含む医薬組成物である。] [0087] ここで用いられる「SARP−1」、「分泌型アポトーシス関連タンパク質1」、「sFRP−2」、「sFRP2」、または「分泌型Frizzled関連タンパク質2」との語は、配列番号1、4、6、8または10のいずれかのポリペプチドを意味する。] [0088] SARP−1の「ネトリンドメイン」との語は、当該技術分野において公知であるように特徴的なタンパク質ドメインを意味し、かつ、これは配列番号6、8および10のアミノ酸約172ないしアミノ酸約295の領域に相当する。] [0089] ここで用いられる「成熟SARP−1ポリペプチド」または「該成熟SARP−1ポリペプチド」との語は、配列番号1、4、6、8または10に示されるシグナルペプチドを持たないSARP−1を意味する。シグナルペプチドは、配列番号1、4、6、8または10の最初の24アミノ酸に相当する。「成熟SARP−1ポリペプチド」の例はまた、配列番号2にも示される。] [0090] ここで用いられる「SARP−1(Fz)デルタN−Fc」との語は、ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質を意味し、該融合タンパク質は免疫グロブリン重鎖のFc領域を含み、ここで該融合タンパク質は、成熟SARP−1のN−末端アミノ酸の規定された数のNアミノ酸を欠如することを特徴とし、ここでN=4、5、6、7、8、9または10である。限定はされないが、例えば「SARP−1(Fz)デルタN−Fc」は、最初の7個のN−末端アミノ酸が欠如する前記タンパク質;すなわち配列番号6、8または10のアミノ酸番号32ないし153、または配列番号4のアミノ酸番号32ないし151を含むポリペプチドに相当する。] [0091] ここで用いられる、「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの変異体」との語は、配列番号14のポリペプチドと少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、または70%の同一性を有し、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、かつSARP−1の生体活性の少なくとも1をさらに有するポリペプチドに関する。SARP−1の生体活性は当該技術分野において公知であり、ここにもまた記載される。SARP−1の生体活性は例えば、Wnt1、Wnt4、Wnt7a、Wnt8またはWnt9への結合;Wnt1、Wnt4、Wnt7a、Wnt8またはWnt9への拮抗、または当該技術分野において公知のブレオマイシン誘導性肺線維症マウスモデルにおける肺線維症の減少であるがこれらに限定されない。SARP−1のWnt拮抗活性を決定するための生物学的アッセイをここで実施例4に記載する。初代ヒト肝星細胞におけるPDGF誘導性のDNA合成のSARP−1による阻害を決定するための生物学的アッセイを実施例5に記載する。癌細胞増殖のSARP−1による阻害を決定するための生物学的アッセイを実施例6に記載する。マウスモデルにおける腎線維症のSARP−1による阻害を決定するための生物学的アッセイを実施例7に記載する。マウスモデルにおける肺線維症のSARP−1による阻害を決定するための生物学的アッセイを実施例8に記載する。] [0092] ここで用いられる、「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの誘導体」または「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの機能的誘導体」との語は、SARP−1(Fz)デルタN−Fc由来であり、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、かつSARP−1の生体活性の少なくとも1を有するポリペプチドに関する。このような「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの誘導体」または「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの機能的誘導体」は例えば、カルボキシル基のエステルまたは脂肪族アミド、および遊離アミノ基のN−アシル誘導体または遊離ヒドロキシル基のO−アシル誘導体を含むがこれらに限定されず、かつ、例えばアルカノイル基またはアロイル基としてのアシル基により形成される。あるいは該誘導体は、アミノ酸部分の側鎖上に存在する官能基に結合する糖またはリン酸基を含んでよい。該誘導体はまた、ポリエチレングリコール側鎖もまた含んでよい。このような分子は、通常一次配列を変化させないin vivoまたはin vitroの方法、例えばペプチドの化学的誘導体化(アセチル化またはカルボキシル化)、リン酸化(ホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニン残基の導入)、またはグリコシル化(ペプチドを、グリコシル化に影響を与える酵素、例えば哺乳類グリコシル化または脱グリコシル化酵素に曝露することによる)からもたらされる。] [0093] 「SARP−1(Fz)デルタN−Fcの変異タンパク質」との語は、1以上のアミノ酸残基が保存アミノ酸または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)により置換され、かつこのような置換アミノ酸残基が遺伝子コードによりコードされるかまたはされなくてよいSARP−1(Fz)デルタN−Fcポリペプチドを意味し、ここで該SARP−1(Fz)デルタN−Fcの変異タンパク質は、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、かつSARP−1の生体活性の少なくとも1をさらに有する。典型的なこれらの置換は、Ala、Val、LeuとIleの間;SerとThrの間;酸性残基AspとGluの間;AsnとGlnの間;塩基性残基LysとArgの間;または芳香族残基PheとTyrの間である。特に好ましくは、数個、すなわち5ないし10、1ないし5、1ないし3、1ないし2、または1のみのアミノ酸がいずれの組み合わせにおいて置換、欠失、または付加される変異体である。特に好ましいものは、タンパク質の特性および活性を変化させないサイレント置換、付加および欠失である。この点において特に好ましいものは、保存された置換でもある。] [0094] このような変異タンパク質はまた、1以上のアミノ酸残基が置換されたポリペプチドも含む。本発明に従って、いずれの置換も「保存された」または「安全」な置換である必要があり、これは一般に、分子の構造および生物学的機能を保存するため、十分に類似した化学的特性を持つアミノ酸を導入する置換(例えば、塩基性、陽性に荷電したアミノ酸は、別の塩基性、陽性に荷電したアミノ酸によって置換されなければならない)と定義される。タンパク質設計実験は、アミノ酸の特異的なサブセットの使用により、タンパク質構造にさらに容易に適応でき、かつ機能的および構造的なホモログならびにパラログの検出に使用できる、アミノ酸の「同義」置換の分類に役立つ折り畳み可能な活性タンパク質が産生できることを示した。同義アミノ酸のグループ、およびさらに好ましい同義アミノ酸のグループを表1に示す。] [0095] ここで用いられる「Fc断片」との語は、それぞれが可変(V)ドメインおよび第一の定常(CH1)ドメイン、および任意にヒンジ領域の一部または全体を欠如する、2本の免疫グロブリン重鎖を含む二量体を意味する。Fc断片は、当該技術分野において公知のように、四量体免疫グロブリン(2本の重鎖および2本の軽鎖を含む免疫グロブリン)のパパイン消化を通して産生できる。] [0096] ここで用いられる「Fc領域」との語は、VドメインおよびCH1ドメイン、および任意にヒンジ領域の一部または全体を欠如する、単一の免疫グロブリン重鎖を意味する。2個のFc領域によりFc断片が形成される。] [0097] 「ベクター」との語は、宿主細胞による外来性DNAの複製および/または適切な発現のための、外来性DNAの宿主細胞への移植に有用ないずれのポリヌクレオチド、限定はされないが、例えばプラスミド、発現ベクター、ウィルスベクターなどを意味する。] [0098] 本発明の上記の実施形態に従い、かつ本発明の上記のいずれの実施形態による融合タンパク質の調製方法における使用がみられる宿主細胞およびベクターは当該技術分野において公知である。ベクター配列は、本発明のポリヌクレオチドの発現に役立つさらなるエレメントを含んでよい。これらは、プロモーターおよびエンハンサー配列、選択マーカー配列、増殖起点などのような調節性配列を含んでよい。] [0099] 本発明の実施形態によるベクターは、実験的または治療的いずれかの理由により、本発明の融合タンパク質の発現を組織培養条件のみではなくin vivoにおいても許容し得る。限定はされないが、例えば、本発明の実施形態による融合タンパク質を過剰発現する細胞は、該融合タンパク質の一定の投与についての生理的効果を調べるため、かつ最終的に細胞をヒトへ応用する前に、動物モデルへ移植できる。あるいは、該ベクターは、レトロウィルスを介する移植、またはベクターもしくは内在性プロモーター制御下の動物における単離されたDNAコード配列の導入および発現を可能にするその他のいずれの技術のために使用できる。このアプローチは、本発明の実施形態による融合タンパク質を恒常的に、または制御された様式において発現する(限定はされないが、例えば、特異的な組織内で、かつ/または特異的な化合物による誘導に続き)、トランスジェニック非ヒト動物の作製を可能にする。] [0100] 一般にベクターは、適切な宿主細胞内に、それらを形質転換するためにいずれの適切な手段(形質転換、トランスフェクション、抱合、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、直接のマイクロインジェクションなど)によって導入できるエピソームまたは非/相同的統合ベクターであってよい。ベクターは、原核または真核宿主細胞内にそれらを含む本発明の融合タンパク質の発現を、前記細胞において恒常的に活性であるかまたは誘導性である、適切な転写開始/終結調節配列による制御下で可能にしなければならない。その後安定化細胞株を供給するため、これらの細胞内で実質的に濃縮された細胞株が分離できる。] [0101] 本発明の実施形態による宿主細胞は例えば、細菌、酵母(限定はされないが、例えば、Candida boidinii, Hansenula polymorpha, Pichia methanolica, Pichia pastoris, Saccharomyces cerevisiae, Schizosaccharomyces pombe, Kluyveromyces lactis およびその他の Kluyveromyces菌種、Yarrowia lipolytica)、粘菌(限定はされないが、例えば、Dictyostelium discoideum)、糸状菌(限定はされないが、例えば、Trichoderma reesei およびその他の Trichoderma 菌種、Aspergillus niger およびその他の Aspergillus 菌種)、蘚類(限定はされないが、例えば、Physcomitrella patens, Atrichum undulatum)、昆虫または哺乳類細胞である。哺乳類細胞は、限定はされないが例えば、NS0,SP2.0,3T3細胞、COS細胞、ヒト骨肉種細胞、MRC−5細胞、ベビーハムスター腎(BHK)細胞、VERO細胞、CHO細胞、rCHO−tPA細胞、rCHO−HepB表面抗原細胞、CHO−S細胞、HEK293細胞、rHEK293細胞、C127細胞、rC127−HepB表面抗原細胞、ヒト線維芽細胞、ストローマ細胞、肝細胞またはPER.C6細胞である。] [0102] 真核細胞(例えば酵母、昆虫または哺乳類細胞)のために、ホストの性質に依存した異なる転写および翻訳調節配列が用いられてよい。これらは、高レベルに発現する特定の遺伝子に調節性シグナルが付随する、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス、サルウィルスなどのようなウィルス源由来であってよい。例としてはヘルペスウィルスのTKプロモーター、SV40初期プロモーター、酵母gal4遺伝子プロモーターなどがある。遺伝子発現を調節できるように抑制および活性化を可能にする、転写開始調節性シグナルが選択されてよい。導入されたDNAによって安定的に形質転換された細胞は、発現ベクターを含む宿主細胞の選択を可能にする1以上のマーカーもまた導入することによって選択できる。マーカーはまた、栄養要求性ホストへの光栄養性、殺生物剤抵抗性、限定はされないが例えば抗生物質、または銅などのような重金属もまた提供してよい。選択性マーカー遺伝子は、発現されるようにDNA遺伝子配列に直接連結できるか、または共トランスフェクションにより同細胞内に導入できる。本発明のタンパク質の至適な合成のために、さらなるエレメントもまた必要とされ得る。] [0103] 本発明の組み換え発現の、上記のいずれの実施形態による融合タンパク質の調製方法は、昆虫細胞および哺乳類発現システムのような真核細胞発現システムを、それらがタンパク質分子に、正確な部位における正確な折り畳みまたはグリコシル化を含む後翻訳修飾を提供するという理由から用いてよい。代替の真核宿主細胞は、酵母発現ベクターにより形質転換された酵母細胞である。酵母細胞もまた、グリコシル化を含む後翻訳ペプチド修飾を行うことができる。酵母において望まれるタンパク質の産生のために利用できる、強力なプロモーター配列および高コピー数のプラスミドを利用する幾つかの組み換えDNA戦略が存在する。酵母は、クローン化哺乳類遺伝子産物内のリーダー配列を認識し、かつリーダー配列を有するペプチド(すなわちプレペプチド)を分泌する。] [0104] 本発明の実施形態による融合タンパク質はまた、当該技術分野において記載されるように(Nikolov and Woodard, 2004;Hellwig et al., 2004)、イネ、ジャガイモ、タバコ、クローバー、キャノーラ、トウモロコシ(corn)、オオムギ、コムギ、トウモロコシ(maize)、ダイズ、キャッサバ、アルファルファ、バナナ、ニンジン、トマト、またはマメ科植物、例えばMedicago truncatulaのようなトランスジェニック植物においても産生できる。例えば、多数の組み換え免疫グロブリンまたは免疫グロブリン断片がトランスジェニック植物において産生されている(Fischer et al., 2003;Goldstein and Thomas, 2004)。] [0105] 本発明の実施形態による融合タンパク質の長期にわたる高収率の産生のためには、安定化発現が好ましい。限定はされないが例えば、興味あるポリペプチドを安定に発現する細胞株は、ウィルス性の複製起点および/または内在性の発現エレメント、および同じかまたは別のベクター上の選択マーカー遺伝子を含んでよい発現ベクターを用いて形質転換されてよい。ベクターへの導入に続き、細胞は選択培地への切り替えの前に、濃縮培地中で1〜2日間生育させてよい。選択マーカーの目的は選択への抵抗性を与えることであり、かつその存在は、導入配列を成功裏に発現する細胞の生育および回収を可能にする。安定的に形質転換された細胞の抵抗性クローンは、細胞型に適した組織培養技術を用いて増殖させてよい。このような細胞の中で実質的に濃縮された細胞株は、後に安定化細胞株を供給するために分離できる。] [0106] 本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質の調製のための特に好ましい方法は、当該技術分野において公知のメソトレキセートの濃度を連続的に増加させた使用による、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)欠損細胞、例えばDHFR欠損CHO細胞におけるDHFR増幅を用いる。] [0107] 同一でない配列には、「%同一性」が決定されてよい。ここで用いられる「%同一性」は、配列Aの全長にわたる、配列Bに対する配列Aの同一性を意味する。一般に、比較される二つの配列は、配列間で最大の相関関係を与えるように整列される。これは、アラインメントの程度を増大させるために、1または両方の配列に挿入される「ギャップ」を含んでよい。二つの配列の同一性を決定するための方法は当該技術分野において公知である。二つのポリヌクレオチド配列間の%同一性または二つのポリペプチド配列間の%同一性を決定するための好ましい方法は、BLAST2 配列ソフトウェア(Tatusova and Madden, 1999)を使用し、これは例えばNational Center for Biotechnology Information, National Library of Medicine, National Institutes of Health, Building 38A, 8600ロックビルパイク、ベセスダ、メリーランド州、20894 米国を通して入手可能である(Wheeler et al., 2007;Pearson, 1990a;Pearson, 1990b)。] [0108] ポリペプチドBに対するポリペプチドAの%同一性を算出するための単純な方法は、二つのポリペプチド配列AおよびBを、限定はされないが例えばBLAST2 配列アルゴリズムのような当該技術分野において公知のいずれのアルゴリズムを用いるか、または同一アミノ酸の可能性がある数を最も多く一致させることにより用手で整列し、ポリペプチドAのアミノ酸がポリペプチドBの同一アミノ酸に幾つ一致するかを算出する。一致するアミノ酸の数を次にポリペプチドAのアミノ酸の全体数との関連において設定し、これによってポリペプチドAのポリペプチドBに対する%同一性の値が提供される。ポリペプチドAのポリペプチドBに対する%同一性は、類似性の様式において算出される。] [0109] 「ポリヌクレオチド(polynucleotide:単数)」または「ポリヌクレオチド(polynucieotides:複数)」との語は、RNA、DNA、cDNA、または限定はされないが、ロックド核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、モルフォリノ核酸、グリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)を含む、それらの類似体に関する。] [0110] ここで用いられる「治療する」および「予防する」との語は、1以上の症状または疾病の原因、同様に症状、疾病、または疾病に付随する合併症を、予防する、阻害する、減弱する、寛解する、または逆転するとして理解されなければならない。疾病を「治療する」とき、本発明による融合タンパク質または医薬組成物は疾病の診断または発症の後に投与され、「予防」は予防され得る、個体においてどのような手段によっても気づくことのできる、疾病のいずれの病理学的変化または症状の前の物質の投与に関する。] [0111] ここで用いられる「癌」との語は、細胞の制御されない分裂、およびそれらを浸潤を通した隣接組織への直接の生育または転移による遠位部位への移入のいずれかによって伝播する能力により特徴付けられる、疾病または疾患のクラスを意味する。以下の密接に関連する語は、上述の細胞の制御されない分裂を命名するために用いられる:新形成および新生物は癌性疾患の科学的命名である。このグループは多数の異なる疾病を含む。新生物は良性または悪性であってよい。癌は通常悪性新生物の同義語として理解される、広く用いられる語である。これは時折、悪性新生物のサブグループである癌腫の代わりに用いられる。腫瘍は単に、新生物性、炎症性もしくはその他の腫張または塊を意味する医学用語である。しかしながら一般的な語では、これは良性または悪性いずれかの「新生物」の同義語である。] [0112] 癌は腫瘍に類似の細胞型により分類され、従って組織は腫瘍起源であると推定される。通常以下の一般的カテゴリーが許容される:癌腫:上皮由来の悪性腫瘍。このグループは乳房、前立腺、肺および大腸癌の一般的な型を含む、最も一般的な癌を代表する。リンパ腫および白血病:血液および骨髄細胞由来の悪性腫瘍。肉腫:結合組織、または間葉系細胞由来の悪性腫瘍。中皮腫:腹膜および胸膜を裏打ちする中皮細胞由来の腫瘍。神経膠腫:脳細胞の最も一般的な型であるグリア由来の腫瘍。胚細胞腫:通常精巣および卵巣に見出される胚細胞由来の腫瘍。絨毛癌:胎盤由来の悪性腫瘍。] [0113] 癌の最も一般的な型は、前立腺癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、メラノーマ、白血病および非ホジキンリンパ腫である。] [0114] その他の癌は、急性リンパ芽球性リンパ腫、急性骨髄性白血病、成人急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨肉腫および悪性線維性組織球腫のような骨癌、神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、乳癌、気管支腺腫、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、腫瘍のユーイングファミリー、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃(gastric)(stomach)癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍、妊娠性トロホブラスト腫瘍、ヘアリー細胞白血病、頭頚部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはバーキットリンパ腫のようなリンパ腫、菌状息肉腫およびセザリー症候群のような皮膚T細胞リンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫のようなメラノーマ、膵頭細胞腫(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎(腎細胞)癌、咽頭癌、口唇および口腔癌、非小細胞肺癌または小細胞肺癌のような肺癌、ワルデンストロームマクログロブリン血症、メルケル細胞癌、中皮腫、口腔癌、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、上咽頭癌、神経芽細胞腫、中咽頭癌、卵巣癌、膵臓癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、胸膜肺芽腫、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、甲状腺癌、尿道癌、またはウィルムス腫瘍である。] [0115] ここで用いられる「線維性疾患」との語は、しばしば修復または反応過程としての、臓器または組織における過剰の線維性結合組織の形成または発生により特徴付けられる疾患を意味する。線維症は、肺(限定はされないが例えば特発性肺線維症)、肝臓、腸、腎臓、心臓または皮膚のような単一臓器に影響を与えるか、または限定はされないが例えば全身性硬化症におけるような複数の臓器に影響を与える。線維性疾患はまた、皮膚の瘢痕にも関する。皮膚の瘢痕は、ケロイド瘢痕、限定はされないが例えば皮膚熱傷の後に起こる拘縮瘢痕、肥大性瘢痕、およびざ瘡瘢痕を含むがこれらに限定されない。] [0116] ここで用いられる「循環器疾患」との語は、心臓または血管に影響を与える疾病のグループを意味する。「循環器疾患」は、動脈瘤;アンギナ;不整脈;粥状動脈硬化;心筋症;先天性心疾患;うっ血性心不全;心筋炎;弁疾患;冠動脈疾患;拡張型心筋症;拡張機能障害;心内膜炎;高血圧;低血圧;肥大型心筋症;僧帽弁逸脱症候群;心筋梗塞;脳卒中および静脈血栓塞栓症を含むがこれらに限定されない。] [0117] 「薬理学的に許容される」の定義は、活性成分の生体活性の有効性に干渉せず、かつ投与されるホストに対する毒性のないいずれの担体を包含することを意味する。担体もまた、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール、石油、動物、植物または合成起源のものを含む様々な油(ピーナッツ油、大豆油、鉱物油、ゴマ油)から選択できる。限定はされないが例えば、非経口投与のためには、上記の活性成分は生理食塩水、ブドウ糖溶液、血清アルブミンおよびリンゲル液のようなビヒクル中で、注射のための単位剤形に処方されてよい。] [0118] 本発明による医薬組成物は、個体に全身性または局所性に投与できる。全身投与は、限定はされないが例えば、消化管を通した(経腸投与)、またはその他の経路を通した投与(非経口投与)により達成される。非経口投与経路は、限定はされないが例えば、静脈内、動脈内、皮下、経皮、皮内、筋肉内、腹腔内、経鼻、頭蓋内、髄腔内、心臓内、骨内、または経粘膜経路である。経腸投与経路は、限定はされないが例えば、経口、直腸、舌下、または頬経路である。局所投与は、限定はされないが例えば、外用、硬膜外、皮膚上、吸入、鼻、関節内、膣、耳介または硝子体内経路を通して達成される。] [0119] 本発明の医薬組成物はまた、好ましくは正確な投薬量の単回投与に適した単位剤形における、所定の比率でのポリペプチドの延長された投与のため、徐放性製剤の注射、浸透圧ポンプなどを含む持続性または制御放出剤形によっても投与できる。] [0120] 非経口投与は、長時間にわたるボーラス投与または漸進的灌流によることができる。非経口投与のための製剤は、無菌水性または非水性溶液、懸濁液、および当該技術分野において公知の助剤または賦形剤を含んでよいエマルジョンを含み、ルチンの方法によって調製できる。加えて、適切な油性注射懸濁液としての活性化合物の懸濁液が投与されてよい。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油、限定はされないが例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、限定はされないが例えばゴマ油、または合成脂肪酸エステル、限定はされないが例えばオレイン酸エチルまたはトリグリセリドを含む。懸濁液の粘性を増大させる物質を含んでよい水性注射懸濁液は、限定はされないが例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む。任意に、懸濁液は安定剤もまた含んでよい。医薬組成物は注射による投与に適切な溶液を含み、かつ約0.01ないし99.99パーセント、好ましくは約20ないし75パーセントの活性成分を賦形剤と共に含む。] [0121] 医薬組成物の至適用量は、投与経路、患者の状態および特性(性、年齢、体重、健康、大きさ)、症状の程度、併用の治療、治療の頻度、および望まれる効果により、適切に選択されてよい。確立された投薬量範囲の調整および操作は十分に当業者の能力の範囲内である。その他のいずれの治療的に有効な投与経路、例えば上皮または内皮組織を通した吸収が使用できる。加えて、本発明によるタンパク質が、薬理学的に許容される界面活性剤、賦形剤、担体、希釈剤およびビヒクルのような、その他の生物学的に活性のある薬剤成分と共に投与できる。] [0122] 非経口(限定はされないが例えば、静脈内、皮下、筋肉内)投与のため、活性成分は溶液、懸濁液、エマルジョンまたは凍結乾燥粉末として、薬理学的に許容される非経口ビヒクル(限定はされないが例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖溶液)および当張性(例えばマンニトール)または化学的安定性(例えば保存料および緩衝液)を維持する添加剤と共に処方できる。] [0123] 活性成分の治療的に有効な量は、限定はされないが投与経路、患者の臨床状態、患者における活性成分の薬物動態を含む多数の変数の関数となり得る。] [0124] 「治療的に有効な量」は本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質の量であり、癌、線維性疾患または循環器疾患に苦しむ患者のような、前記融合タンパク質による治療を必要とする患者に投与するときに、前記融合タンパク質の量は前記融合タンパク質の治療的に有効な量を投与されなかった患者に比較してその患者の疾患の改善をもたらす。疾患の改善は当該技術分野において公知の方法によって測定でき、該方法は、血液、尿、滑液もしくは脳脊髄液、またはその他の体液から採取された検査パラメーターの測定、機能的状態、痛みまたは身体障害の測定を含み;該方法はまた、磁気共鳴画像法(MRI)またはX線のような画像法も含む。] [0125] 単回または複数回用量として個体へ投与される投薬量は、本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質の薬物動態特性、投与経路、患者の状態および特性(性、年齢、体重、健康、大きさ)、症状の程度、併用の治療、治療の頻度、および望まれる効果を含む、様々な効果に依存して変動し得る。確立された投薬量範囲の調整および操作は十分に当業者の能力の範囲内であり、個体において前記融合タンパク質の効果を決定するin vitroおよびin vivo法も同様である。] [0126] 本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質は、体重につき0.001ないし100mg/kgもしくは0.01ないし10mg/kg、または体重につき0.1ないし5mg/kg、または体重につき1ないし3mg/kg、または体重につき2mg/kgの範囲の量で使用されてよい。] [0127] 本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質は、同様の用量または時間により増加もしくは減少する用量において、毎日、または一日おき、または週に三回、または週に一回、一週間おき、一ヶ月に一回、六週間おき、一ヶ月おき、一年に三回、一年に二回、または一年に一回投与されてよい。] [0128] 通常一日量は分割された用量、または望まれる結果を得るために効果的な持続放出型により投与される。第二の、または続く投与は、同じかあるいは最初もしくは以前に個体に投与された用量よりも多いかまたは少ない投薬量において実施できる。好ましい実施形態によれば、本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質は、第一の用量および続く1以上のより高い用量により投与される。] [0129] 本発明のいずれの実施形態による融合タンパク質は、個体へ予防的または治療的に、その他の療法もしくは薬剤(限定はされないが例えば多剤療法)に先立ち、それらと同時にまたは連続的に、治療的に有効な量において投与されてよい。] [0130] 本発明を十分に記述したところで、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、かつ過度の実験も必要としない等価なパラメーター、濃度および条件の広い範囲内で同じように実施できることが当業者により理解されるであろう。] [0131] 本発明はその特定の実施形態に関連して記述されているが、さらなる改変が可能であることが理解されるであろう。この応用は、一般には本発明の原理、および当該技術分野における公知または習慣的な実行においてもたらされる本開示からの、本発明が関係するものへ対し、かつ以下に付属の特許請求の範囲において説明される上記の本質的な特徴へ応用されてよいこのような逸脱を含む、以下の本発明のいずれの変動、使用または適応にわたることが意図される。] [0132] ここで用いられる「a」または「an」は1以上を意味してよい。ここにおける「または」との語の使用は、本開示においては代替のみ、および「および/または」を意味する定義が支持されるが、代替のみ、または代替が相互に排他的であることを意味することが明確に指示されない限り、「および/または」を意味するものとして用いられる。ここで用いられる「別の」は、少なくとも第二またはそれ以上を意味してよい。] [0133] 学術雑誌論文もしくは要約、公開もしくは未公開の米国または外国特許出願、発行された米国もしくは外国特許またはその他のいずれの参考文献を含むここに引用される全ての参考文献は、参考文献中に示される全てのデータ、表、図面および本文を含み、その全体が参照としてここに取り込まれる。加えて、ここに引用される参考文献内に引用される参考文献の全体の内容もまた、参照により完全に取り込まれる。] [0134] 公知の方法工程、従来の方法工程、公知の方法または従来の方法は、本発明のいずれの態様、記述または実施形態が、関連技術分野において開示、教示、または示唆されるということの、どのような承認でもない。] [0135] 特定の実施形態についての先の記述は、その他の人々が当該技術分野の範囲内の知識(ここに引用される参考文献の内容を含む)の応用によって、過度の実験を必要とせず、本発明の一般概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を様々な応用のために容易に改変および/または適応できる、本発明の一般的性質を全く完全に明らかにするであろう。従って、このような適応および改変は、ここに示される教示および指導に基づき、開示される実施形態の均等物を意味する範囲内にあることが意図される。ここでの用語および専門用語は記述の目的であって限定する目的ではないことが、本明細書の専門用語および用語がここに示される教示および指導に鑑みて熟練者に解釈されるように、当業者の知識と組み合わせて理解されなければならない。] 実施例 [0136] 実施例 実施例1:ヒトSARP−1のシグナルペプチドの解析 sFRP2(SARP−1)およびそのファミリーホモログのN−末端部ならびに切断部位周囲の領域を解析した。すなわち、sFRP2のシグナルペプチドの幾つかの物理化学的特性を、sFPR1およびsFRP3〜5の配列由来の対応配列区域との比較において研究した。] [0137] 特に、sFRPファミリーの5メンバーが異なるシグナルペプチド長および配列組成を有する(以下の表2を参照)。] [0138] 配列区域の親水性および表面到達性の特性を解析し(PeptideStructure moduleのGCGパッケージの、ウェブ型に基づくインターフェースを用いて)、それらが類似の物理化学的特性を大規模に共有することに注目した。しかしながら、sFRP2について得られたデータの一部は顕著に異なっていた。sFRP2の親水性プロファイルは、シグナルペプチドに続くテトラペプチド(LFLF)が、sFRP2(SARP−1)のN−末端へ高度に疎水性のモチーフを導入することを示した。その他のsFRPファミリーメンバーのプロファイルとの比較は、それらのN−末端配列組成のこのようなバイアスを示さなかった。この短い、非常に疎水性のN−末端区域は潜在的にやや柔軟なアミノ酸の伸展を有するであろうことが予測された。] [0139] これらの結果に基づき、テトラペプチドLFLFはシグナルペプチドの切断を妨げ、それ故にSARP−1(Fz)−Fcポリペプチドの発現を低下させるという仮説を形成した。この仮説は実験的に試され、確認された。] [0140] 実施例2:SARP−1(Fz)デルタ7−Fcのクローニング SARP−1のクローニング ヒトNCBI dbESTにおいて、連続的なBLASTサーチをSARP−1(EMBL受入番号:AF017986)の部分的コード配列から始まって行い、関連するESTをwww.ncbi.nim.gov/Web/Search/index.htmlにおけるENTREZを用いて検索した。続いてSARP−1のコンセンサス完全長コード配列を作製するため、以下のESTをAF017986配列と共に構築した:AW580647、AW608301、AA976403、およびW92531。SARP−1の完全長cDNAコード配列を、次に正常ヒト皮膚線維芽細胞RNAから逆転写酵素PCRによってクローン化した。SARP−1順方向5’PCRプライマーは、HindIIIおよびコザック配列(5’GCC AAG CTT CCCACGATG CTG CAG GGCCCT)を含んだ。SARP−1逆方向3’プライマーは、XhoI部位(5’GCG CTC GAG CTAGCACTG CAG CTT GCG GAT)を含む。SARP−1プラスミドを作製するため、PCR産物を制限酵素HindIIIおよびXhoIで切断し、pcDNA3.1ベクターを同じ制限酵素で切断した後、該ベクター内へクローン化した。] [0141] SARP−1(Fz−ドメイン)Fc融合コンストラクト{SARP−1(Fz)−Fc} C−末端のFc断片(ヒトIgG1重鎖ヒンジ領域、CH2およびCH3ドメイン)に融合させた、シグナルペプチドおよびfrizzledドメインを含むSARP−1断片(配列番号6のアミノ酸番号1〜153からの断片)をコードするcDNAを含むpEAK12d発現ベクターのクローンを、以下のようにGatewayクローニング技術(Invitrogen)を用い、プラスミドの一連の中間体を通して作製した。] [0142] 5’末端にattB1組み換え部位およびコザック配列(GCCACC)が隣接し、かつ3’末端に終止コドン(TGA)およびattB2組み換え部位が隣接するSARP−1 ORFを含むGatewayに適合するcDNAを、二つの連続するPCR反応により作製した。GatewayエントリークローンpENTR−SARP−1を作製するため、Gatewayにより改変されたPCR産物を、BPクロナーゼ(Invitrogen)を介した組み換え反応によりGatewayエントリーベクターpDONR201内へサブクローン化した。次にSARP−1 Fc融合コンストラクトを以下のように重複PCRによって作製した:第一のPCR反応において、SARP−1 ORFを以下のPCRプライマーを用いて増幅した:Sarpl−B1p−121(順方向プライマー)5’GCAGGCTTCGCC ACC ATG CTG CおよびSarp1−hFC−1036−R(逆方向プライマー)5’CAC AAG ATT TGG GCTCGC ACT GCA GCTTGCGGA T。第二のPCR反応において、IgG1FcドメインをコードするcDNA配列を増幅した。両反応からのPCR産物を組み合わせ、Gatewayシステムユニバーサル順方向プライマー、attB1−K、5’GGG GAC AAGTTTGTA CAA AAA AGC AGG CTT CGC CAC CおよびGatewayシステムユニバーサル逆方向プライマー、attB2、5’GGG GAC CAC TTT GTA CAA GAA AGC TGGGTTを用いる第三のPCR反応において、完全長SARP−1Fc融合タンパク質{SARP−1−Fc}をコードするcDNA配列を作製した。hSARP−1−Fcを作製するため、得られたPCR産物(SARP−1 Fc融合)を、Gatewayクローニング技術を用いて(上記のように)pDONR221内へサブクローン化した。] [0143] SARP−1(Fz)−Fcのプラスミドを作るため、次にネトリンドメインSARP−1(配列番号2のアミノ酸番号148ないし271)をコードする配列を、Quick Change Site Directed Mutagenesisキット(Stratagene)を用いた部位特異的変異誘発により欠失させた。] [0144] 同族のシグナルペプチドを持つSARP−1(Fz)−Fcは、十分ではないとみなされるやや低いレベルにおいてのみ分泌された。SARP−1(Fz)−Fcはまた、HEKおよびCHOのような標準的な哺乳類発現システムにおいて発現するとき、N−末端の不均一性も示した。従って、および実施例1により得られた結果に基づき、N−末端アミノ酸を欠失させることを決定し、さらにマウス免疫グロブリンシグナルペプチド(mIgSP)および組織プラスミノーゲン活性化因子シグナルプロペプチド(tPApro)を含む人工シグナルペプチドを発現のために使用した。前記人工シグナルペプチド(mIgSP−tPA−pro)は、国際公開第2005/030963号に開示される。] [0145] SARP−1(Fz)デルタ7−Fcをクローン化するため、最初にSARP−1(Fz)−Fc融合配列を、mIgSP−tPA−proシグナルペプチドの3’部分をEcoRI部位により再構成した5’tPA−SARPプライマー、および3’FcSARPwtプライマーを用いるPCR増幅により得た。クローニングを促進するため、EcoRIおよびNheI制限酵素部位をそれぞれプライマーへ組み込んだ。プラスミドを部分的にEcoRI消化によって切断し、次にNheIで消化した後、子ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIAP)と共に15分間インキュベートした。PCR産物をEcoRIおよびNheIで切断し、シグナルペプチドのtPA部分の内部を切断するEcoRI(3388)、およびNheI部位へクローン化した。得られたSARP−1(Fz)デルタ7−Fc−Fcプラスミドの制限酵素による分析の後、正しい産物を選択した。] [0146] 実施例3:SARP−1(Fz)デルタ7−Fcの製造 SARP−1(Fz)デルタ7−Fcを発現するCHO細胞を、4mMグルタミンを補足した5LのProCH5培地(Lonza、スイス、BE12−762Q)に5x105細胞/mlにてまき、6日間生育させた。CHO培養上清回収し、pHを7.5に調節し、伝導率を9.5から約6.5mS/cm-1へ減少させるため、50mM Tris−HCl pH8.0にて3/5希釈した。この溶液を次に、Acropak1000−0.8/0.2フィルター(PALL, Art. 406201010332)で濾過した。この溶液をQ−セファロースFF(GE-Healthcare, art. 17−0510−01)陰イオン交換体上に捕捉し、予め0.1M Tris−HCl pH8.0で平衡化した樹脂上に600cm/時間の流束において流した。全ての溶出からの画分を集め、SDS−PAGEおよびウェスタンブロットによりSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの存在について分析した。Q−セファロースの溶出液をプールし、室温(RT)にて0.5%TritonX−100中で1時間インキュベートし、アガロースビーズ(MabSelect(商標)−Amersham)に結合させたプロテインAのアフィニティークロマトグラフィー樹脂上に加えた。樹脂からの溶出液を0.1M Tris−HCl pH8.5緩衝液中へ回収し、pHを7.6に調節した。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcを含む画分をプールし、Spectra/Por MWCO6−8000(Art.132655)チューブ内で、2日間にわたり1xPBS(2交換)に対して透析した。次にタンパク質をクリオバイアルに分注して−80℃に保管した。] [0147] 結果 最初の5残基のN−末端配列決定(エドマン分解)を、ProSorbフィルターカートリッジ上に負荷された精製タンパク質SARP−1(Fz)デルタ7−Fcについて行った。産生された全てのバッチは、分析した材料の100%において、予想通りN−末端アミノ酸配列DFSYKを有していた。] [0148] タンパク質の純度を確認するため、およびタンパク質濃度決定のための理論的消衰係数を確認するためにアミノ酸分析を行った。回収率は理論値に非常によく相当し、タンパク質の高純度が示された。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcのアミノ酸分析により決定されたタンパク質濃度は、50260M-1xcm-1の理論的消衰係数を用いたUV分光法によって算出されたものに同一であり、実験的および理論的消衰係数の完全な一致が示唆された。] [0149] 実施例4:Wnt拮抗活性の決定 材料および方法 マウスWnt1およびヒトWnt2(インデューサー細胞)を発現する293T細胞ならびにLEF部位連結プロモーター(レポーター細胞)の制御下にルシフェラーゼを発現する293T細胞を同等の比率にて混合し、96ウェルマイクロプレートのウェルあたり100μlの培地中にまいた。その表面にWnt1およびWnt2を過剰発現するインデューサー細胞は、Wntタンパク質とレポーター細胞の細胞膜上のそのレセプターとの相互作用によって引き起こされるWntシグナル伝達経路の活性化を誘導することができる。Wnt経路の活性化に反応したレポーター細胞は、LEFのようなWnt反応性遺伝子の活性化によりルシフェラーゼを発現した。] [0150] 混合物はウェルあたり約10,000のインデューサー細胞および10,000のレポーター細胞から構成された。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcを、異なる濃度において(300ないし5μg/ml)培地に加えた。48時間のインキュベーション後に培地を廃棄し、細胞に40μlの溶解緩衝液を加えた。オービタルシェーカー上での4℃、15分間の溶解後、サンプルを2サイクルの凍結および融解、続くボルテックスを用いた強固な振盪(2分間)およびV型マイクロタイタープレート中での2000rpmの遠心による沈降に供した。] [0151] ライセート中の全タンパク質含有量によりルシフェラーゼ活性を標準化した。タンパク質定量は、当該技術分野において公知のBCAキット(Pierce)を用い、5μlの細胞ライセートについて行った。ルシフェラーゼ活性を測定するため、10μlの細胞ライセートをそれぞれ96ウェルマイクロタイタープレートに移した。サンプルに15μlのルシフェリン試薬を加え、発光の数量化を10秒間計数した。] [0152] 結果をWnt活性化のパーセンテージにおいて表した。従って、インデューサーおよびレポーター細胞の混合物により得られた最大ルシフェラーゼ活性は100%に相当した。] [0153] 結果 SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、ルシフェラーゼ活性を0.75μMのIC50で用量依存的に低下させた。最大阻害は150ないし300μg/mlの濃度において80%に達した。この結果を図3に示し、SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは細胞システムにおいてWnt活性化の誘導を遮断できることが示された。] 図3 [0154] 実施例5:初代ヒト肝星細胞における生物学的効果 材料および方法 初代ヒト肝星細胞(HSC)は、移植に適さない正常ヒト肝臓のくさび切片から分離した。肝組織はコラゲナーゼ/プロナーゼで消化した。HSCはその他の肝臓非実質細胞から、Stractan(Cellsep等張液:Larex Inc.、セントポール、ミネソタ州)の勾配上における超遠心により分別された。HSCは、0.6U/mLインスリン、2.0mmol/Lグルタミン、0.1 mmol/L非必須アミノ酸、1.0mmol/Lピルビン酸ナトリウム、抗菌−抗ミコバクテリア剤(全てGibco Laboratories、グランドアイランド、ニューヨーク州)、および20%ウシ胎児血清(Imperial Laboratories、アンドーバー、英国)を補ったイスコフ改変ダルベッコ培地によりプラスチック皿で培養した。全ての実験は三通り行い、結果は平均±SDで表した。統計学的有意性はスチューデントt検定により評価した。] [0155] 細胞増殖における効果 この実験群では、10ng/mlの標準用量におけるヒト組み換えPDGF−BBを刺激として選択した。以前にその阻害効果が同じ細胞調製において示された(Caligiuri et al., 2003)カンレノン(10μM)を阻害のポジティブコントロールとして使用した。] [0156] 1.細胞増殖アッセイ HSCは、0.6U/mLインスリン、2.0mmol/Lグルタミン、0.1 mmol/L非必須アミノ酸、1.0mmol/Lピルビン酸ナトリウム、抗菌−抗ミコバクテリア剤(全てGibco Laboratories、グランドアイランド、ニューヨーク州)、および20%ウシ胎児血清(Imperial Laboratories、アンドーバー、英国)を補ったイスコフ改変ダルベッコ培地により、30%コンフルエンスにおいて12ウェル皿内で培養した。24時間後に、HSCを、10、1、および0.1μg/mlの濃度におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの存在下または非存在下で、10ng/mlの濃度で活性化を誘導するためのPDGF−BBを含む無血清培地中でインキュベートした。HSCを回収し、培養2、4、および6日後の細胞数/ウェルを決定した。各時点において、残りのウェルに新鮮な培地および実験条件を加えた。] [0157] 2.DNAへの3H−チミジンの取り込み HSCを24ウェルプラスチック皿にまき、20%ウシ胎児血清(FBS)を含む完全細胞培養液中でコンフルエンスに生育させた。次にHSCから血清を48時間除き、PDGF−BBによってさらなる24時間刺激した。3H−チミジンをインキュベーションの最後の4時間に加えた。PDGFの直前に、SARP−1(Fz)デルタ7−Fcを10、1、および0.1μg/mlの濃度で加えた。] [0158] 結果 SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、初代ヒト肝星細胞培養において、PDGF誘導性のDNA合成を著しく減少させた。この阻害効果は、培養2日後における1μg/mlの濃度から始まって統計学的に有意であり、培養2、4、および6日後の10.0μg/mlにおいてさらに顕著であった。この結果を図4に示し、組み換えSARP−1(Fz)デルタ7−Fcは初代ヒト肝星細胞培養の増殖を減少させることが示された。この効果は、肝線維症の治療における有益な効果を示す。] 図4 [0159] 実施例6:ヒト癌細胞におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの効果 材料および方法 細胞株B16F1(マウスメラノーマ)はDMEM+10%血清中で培養し、全量50μl中に5000細胞/ウェルで播種した。SW480およびSW620(ヒト大腸癌)細胞株はL15培地+10%ウシ胎児血清中で培養し、全量50μl中に20,000細胞/ウェルで播種した。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcを直ちに1、3、または6μMの濃度で加えた。] [0160] 細胞増殖アッセイは、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の、培養24、48、72および96時間後の減少により評価した。細胞増殖試験のため、5μlおよび10μlのMTT溶液を、B16F1、SW480およびSW620細胞の培養それぞれに加えた。インキュベーション期間の後、細胞を200μlのDMSO中で溶解し、吸光度を570および630nmにて決定した。実験の間、細胞増殖阻害のポジティブコントロールとして、DKK1−Fcを1μMの濃度で使用した。] [0161] 結果 1ないし6μMの濃度のSARP−1(Fz)デルタ7−Fcにより、B16F1メラノーマ細胞株の著しい増殖阻害が用量依存性に得られた。6μMのSARP−1(Fz)デルタ7−Fcにより得られた阻害のレベルは、ポジティブコントロール(DKK1−Fc)を用いて得られたものに匹敵する。] [0162] 同様に、SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、二つのヒト大腸癌細胞株であるSW480およびSW620の細胞増殖を阻害することができた。結果を図6、7および8に示す。] 図6 [0163] この効果は、癌治療におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの潜在的に有益な効果を示す。] [0164] 実施例7:腎線維症のマウスモデルにおけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcのin vivo活性 材料および方法 SARP−1(Fz)デルタ7−Fcのin vivo活性を、一側性尿管結紮誘導性の腎線維症(Vielhauer et al., 2001)である閉塞性腎障害の実験モデルにおいて試験した。] [0165] 体重20ないし26gの近交系の雌C57BL/6マウスを、12時間明/暗サイクルの下でmacroloneタイプIIIケージ内に維持した。水および標準固形飼料は自由摂取とした。一般的なエーテル麻酔下で低正中線腹部切開を行い、左遠位尿管の結紮を2/0Mersilene縫合で行って一側性尿管閉塞(UUO)を得た。閉塞していない反対側の腎臓をコントロールとして供した。] [0166] 続いて、50μlのビヒクル(0.9%NaCl)中の1.5mg/kgのSARP−1(Fz)デルタ7−Fc、またはビヒクルのみをマウスに皮下投与した。最初の用量はUUOの直後、1日1回、21日間投与した。] [0167] マウスはUUOの7および21日後に、エーテル吸入による一般的麻酔下での頚椎脱臼により死亡させた。] [0168] 腎臓の形態学および免疫組織化学分析 各マウスから、腎臓の頭側半分を組織学的判定に使用した。結紮および反対側の腎組織を4%中性緩衝ホルマリン中で室温にて24時間固定し、次にパラフィン中に包埋した。定量分析のため、4μmの水平方向切片を切り出した。系統的な均一のランダムサンプリングにより選択された、15の連続切片の5切片目ごとを分析に使用した。ルチンの組織学および形態計測学的分析のための過ヨウ素酸シッフ(PAS)試薬、および筋線維芽細胞の存在を評価するための抗α−SMA(α−平滑筋アクチン)によりスライドを染色した。] [0169] 結果 1.5mg/mlのSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの皮下注射は、処置21日後に、尿細管間質の変化の形態計測学的分析および筋線維芽細胞マーカー(α−SMA)の組織学的分析により、腎線維症の減少を示した(p<0.05)(図8を参照)。このデータは、腎線維症の治療におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの有益な効果を示唆する。] 図8 [0170] 実施例8:初代ヒト肺線維芽細胞におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの効果 この実験では、IPF患者由来の初代線維芽細胞の活性におけるSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの効果について研究した。] [0171] 材料および方法 SARP−1(Fz)デルタ7−Fcの効果を評価するため、間質性肺線維症(IPF)患者(N=3)およびコントロール(N=3)の肺外植片から肺線維芽細胞を得た。線維芽細胞は、高グルコース(25mM)および10%Fetal Clone II(Hyclone)を含むDMEM培地中で、96ウェル細胞培養プレートにて約50%のコンフルエンスに達するまで培養した。Fetal Clone IIはウシ血清(FBS)の代替物である。次に、細胞を1%の濃度のFetal Clone IIと共に48時間培養した。最後に、0.1、1および100μg/mlのSARP−1(Fz)デルタ7−Fcおよびコントロールを加えた。24時間後に、ブロモデオキシウリジン(5−ブロモ−2−デオキシウリジン、BrdU)を最終濃度100μMにて加えた。24時間のインキュベーション後、細胞を固定し、溶解した。細胞増殖は、細胞増殖ELISABrdU比色アッセイ(Roche Diagnostics、メラン、フランス)ELISAを用いて評価した。実験は基本条件(PDGF未添加)およびPDGF存在下(10ng/ml)で行った。全ての実験条件は三通りに試験し、平均値を算出した。各実験条件について、BrdUの取り込みは、同じ培養中でのコントロールに観察された取り込みのパーセンテージとして表した。] [0172] 結果 病理学的線維芽細胞の挙動が既に正常のものとは異なることから細胞培養液にさらなる刺激を加えなかった10%Fetal Clone IIを含む基本条件の培養において、BrdUの取り込みは増大した。コントロール線維芽細胞において観察されたように、ポジティブコントロール(JNK阻害剤)はBrdUの取り込みを50%まで減少させた。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、試験された最も高い用量においてBrdUの取り込みを減少させた。] [0173] PDGF(10ng/ml)は、BrdUの取り込みを50%まで増大させた;この増大はポジティブコントロール(JNK阻害剤)により強力に阻害された。SARP−1(Fz)デルタ7−Fcは、1および10μg/mlの濃度においては効果を示さなかったが、100μg/mlの濃度においてBrdUの取り込みを大きく阻害した(図9を参照)。] 図9 [0174] 参考文献 Banyai, L. and Patthy, L. 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权利要求:
請求項1 ネトリンドメインを持たない、配列番号1、4、6、8または10の成熟SARP−1ポリペプチドを含む融合タンパク質であって、免疫グロブリン重鎖のFc領域をさらに含み、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如することを特徴とする融合タンパク質。 請求項2 配列番号6、8または10のアミノ酸番号35ないし153を含むか、または配列番号4のアミノ酸番号35ないし151を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。 請求項3 配列番号6、8または10のアミノ酸番号32ないし153を含むか、または配列番号4のアミノ酸番号32ないし151を含む、請求項1に記載の融合タンパク質。 請求項4 ネトリンドメインを持たない成熟SARP−1ポリペプチドが、配列番号1、4、6、8または10の成熟SARP−1ポリペプチドと少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%または70%の同一性を有するSARP−1変異体であって、SARP−1の生体活性を有するSARP−1変異体に由来する、請求項1に記載の融合タンパク質。 請求項5 前記Fc領域がIgG由来である、請求項1、2、3または4に記載の融合タンパク質。 請求項6 前記Fc領域がIgG1またはIgG4由来である、請求項5に記載の融合タンパク質。 請求項7 a)配列番号14に示されるSARP−1(Fz)デルタ7−Fc;b)配列番号14のポリペプチドと少なくとも80%、75%または70%の同一性を有し、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、且つSARP−1の生体活性のうちの少なくとも1つを有する、SARP−1(Fz)デルタ7−Fcの変異体;またはc)配列番号14のポリペプチドの20、30、40、50、100または150以下のアミノ酸が非保存アミノ酸により置換されている、配列番号14のSARP−1(Fz)デルタ7−Fcの変異タンパク質であって、成熟SARP−1ポリペプチドのN−末端アミノ酸番号1〜10、1〜9、1〜8、1〜7、1〜6、1〜5または1〜4を欠如し、且SARP−1の生体活性の少なくとも1つをさらに有する変異タンパク質、である、請求項1に記載の融合タンパク質。 請求項8 請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。 請求項9 請求項8に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。 請求項10 配列番号24によるmlgSP−tPA−proシグナルペプチドのコード配列をさらに含む、請求項9に記載のベクター。 請求項11 請求項8に記載のポリヌクレオチド、または請求項9もしくは10に記載のベクターを含む宿主細胞。 請求項12 請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質を調製するための方法であって、前記融合タンパク質を請求項11に記載の宿主細胞に発現させること、および前記融合タンパク質を回収することを含む方法。 請求項13 薬物としての使用のための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。 請求項14 癌、線維性疾患、または循環器疾患の治療のための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の融合タンパク質。 請求項15 前記癌が、胃腸癌、結腸直腸癌、膀胱癌、膵臓癌、子宮内膜癌、卵巣癌、メラノーマ、白血病および非ホジキンリンパ腫、乳癌、前立腺癌、または肺癌である、請求項14に記載の融合タンパク質。 請求項16 前記線維性疾患が、強皮症、望まれないかまたは過剰の瘢痕、肺線維症、肝線維症、腸の線維症、腎線維症、心線維症、または皮膚線維症である、請求項14に記載の融合タンパク質。 請求項17 前記循環器疾患が心筋梗塞、心筋症、または肥大型心筋症である、請求項14に記載の融合タンパク質。 請求項18 請求項1〜7のいずれか1項に記載の、活性成分としての融合タンパク質と、任意に薬理学的に許容される担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
类似技术:
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同族专利:
公开号 | 公开日 IL206334D0|2010-12-30| WO2009074637A1|2009-06-18| CA2707735A1|2009-06-18| US20100260785A1|2010-10-14| EP2235054A1|2010-10-06| AU2008334608A1|2009-06-18|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2011-12-09| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111208 | 2012-09-19| A761| Written withdrawal of application|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20120918 |
优先权:
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申请号 | 申请日 | 专利标题 相关专利
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